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ウイスキーについて
主要産地は五つ
ウイスキーは穀類を発酵、蒸留したうえ、樽熟成させてつくられる酒である。穀物を発酵、蒸留するという点では、ジンやウオツカのような無色透明な酒の兄弟分ということができる。だが、そのあとで樽熟成を必須条件としている点が、ジンやウオツカと決定的に違うところであり、酒の色が琥珀色を呈しているのも、樽熟成によるものである。ウイスキーの蒸留がいつごろ始まったかはあまり明らかではない。ただ、中世に錬金術の恩恵を受けて、アイルランドで生まれたであろうということがほぼ定説になっている。錬金術は四世紀ごろ、エジプトあたりでシステムをととのえ、アフリカ北部を西に広がって行き、中世初期にはスペインまで伝わった。その伝播過程で、錬金術用の柑堝(るつぼ)に何らかの発酵液が入り、アルコール度数の強烈な液体が偶然に生まれた。それが、人類が蒸留酒というものを経験した始まりだと考えられている。錬金術師はその酒をラテン語でAqua-vitae(生命の水)と呼び、不老長寿の秘薬として大切に扱った た。やがて、この"生命の水〃の製法は、海を越えて北方のアイルランドに伝わり、その地で飲まれていたビールを蒸留して、強烈な酒を生むことになるのである。土地の人は、生まれた酒"生命の水"を自分たちの言語ゲール語に直訳してUisge-beathaと呼んだ。これがウイスキーそのものの起源であり、かつウイスキーという名称の由来でもあると考えられている。時移り、いまやウイスキーは地球上のいたるところでつくられている。穀物 物を入手する手段、それを蒸留、熟成させる設備と生産のノウハウさえもてば、ウイスキーをつくることは誰にでしこうひんも可能なのである。しかし、嗜好品として賞味しうる優れたウイスキーを生み出そうとするなら、醸造から熟成までの生産工程に適した風土、高度な化学的技術、製造関係者の研ぎ澄まされた感覚などが要求される。その条件を満たし、優れたウイスキーを生んでいるのは次の五つの地方である。
@スコットランド(イギリスのブリテン島北部)ここで生産されるのが、スコッチ・ウイスキー。
Aアイルランド(政治的に英領北アイルランド自治州とアイルランド共和国から成る)どちらの領土でつくられるウイスキーも、アイリッシュ・ウイスキーと称している。
Bアメリカ原料、製法によりさまざまなタイプのウイスキーを生んでい いるが、代表的なのがバーボン・ウイスキー。
Cカナダカナディアン・ウイスキーとして、独自のタイプのウイスキーをつくっている。
D日本スコッチ・タイプのウイスキーをつくっているが、デリケート
な個性を確立した。風味の点で強い個性をもっているのが、ピートの煙臭をもち、重厚な味わいで迫ってくるスコッチ・ウイスキーと、焦げ樽熟成により、華やかな香りを呈するバーボン・ウイスキーの二つである。アイリッシュ・ウイスキーは、マイルドだが、穀物の香味がよく溶け込んでいる感じが特徴。日本のウイスキーは、それをよりマイルドにした感じの味わい。カナディアン・ウイスキーはこれらのなかでは、最もライトなタイプである。

スコッチ・ウイスキー
密造者が生んだ名酒
スコッチ・ウイスキーとは、イギリス北部のスコットランド地方でつくられるウイスキーをいう。スコットランドは面積、人口とも、わが国の北海道にほぼ等しい。そうした規模の土地で、わが国の清酒の銘柄数とほぼ同じくらいの数の多彩なスコッチ・ウイスキーを産出しているのである。スコッチ・ウイスキーは、中世にアイルランドからウイスキー製法が伝わって誕生した。一四九四年のスコットランド の公式記録に〃生命の水"の原料大麦麦芽についての記述があるので、遅くともこの時代には、首都エジンバラで古いかたちのウイスキーがっくられていたのは確実なようだ。ただ、当時のウイスキーは蒸留したままの無色の状態で、しかも熟成させず、粗い味のままで飲まれていたにちがいない。現在のようにピート香をもち、樽熟成によってブラウン・カラーに染まったウイスキーが出現するのは、十九世紀に入ってからのことである。そのきっかけとなったのは、ウイスキ ー蒸留業者に対する政府の厳しい課税であった。業者たちは税吏の目を逃れて山間に潜伏し、密造するようになった。その際、大麦麦芽を乾燥させる燃料としては、野山に無尽蔵に埋もれているピート(泥炭)を利用した。また、蒸留器から滴ってきたウイスキーは公然とは売れなかったから、買い手が現れるまで不要になったシェリーの空き樽に詰めて隠匿していた。ところが、こうした苦肉の策が、むしろウイスキーの風味の向上に役立つことが分かってくる。ピートの煙臭はウイスキーの味をさわやかにし、シェリー樽での長期的保存は、ウイスキーの色を琥珀色に変えると同時に、ウイスキーの味にまろやかな熟成感を与える結果となったのである。これ以来、スコッチ・ウイスキーはピート香付与、樽熟成、琥珀 色で出荷、ということが基本。バターンとなった。現在、スコッチ・ウイスキーは製法上から、@モルト・ウイスキー、Aグレーン・ウイスキー、Bブレンデッド・ウイスキー、の三つのタイプに分かれるが、すべてスコッチ・ウイスキーとして扱われている。
モルト・ウイスキーは、ピートの煙臭をしみ込ませた大麦麦芽(モルト)だけが原料。発酵後、単式蒸留器で二回蒸留し、オーク権でじっくり熟成させる。ピート香と樽香ののった、コシの強いウイスキーだ。蒸留所により、ピート香のつけ方、樽香のっけ方などに差があり、酒は蒸留所ごとの個性を帯びて生まれてくる。その一ため、他の蒸留所の原酒を一滴もヴァッティング(モルト・ウイスキーの場合に一はブレンドではなくこの言葉を使う)していないものは、シングル・モルト・ウイスキーと呼び、生一本抜いされる。現在、こうしたモルト・ウイスキーの一蒸留所は約一〇〇ヵ所稼働している。それらの蒸留所で産出されているモルト・ウイスキーを、本書では地方ごとに四つに大別した。各地方ごとの味の特徴は概ね次のようなものである。@ス。ベイサイド(端麗、落ち着いた香味)Aハイランド(ピート香濃く、爽快)Bローランド(ピート香淡く、穏健)Cアイラ(強いコクをもった香味)グレーン・ウイスキーはとうもろこし約ハ割に、ピート香をつけていない大麦麦芽約二割を混ぜ、連続式蒸留機で蒸留したものである。最近は、小麦を混ぜる例も出てきている。ピート香がなく、味わいはソフトでマイルド。蒸留所はハヵ所あるが、蒸留所による味の差はほとんどない。ブレンデッド・ウイスキーはモルト・ウイスキーと、グレーン・ウイスキーをブレンドしたものをいう。現在、私たちが飲んでいるスコッチ・ウイスキーの大半は、このタイプのウイスキーだ。その製造に当たってはふ?フ、モルト・ウイスキーを、十数種類から、多いときには五〇種類ぐらいヴァッティングし、製品の骨格を決定する。それに、一種類か二種類のグレーン・ウイスキーをブレンドして製品となるのである。特に良質のモルト・ウイスキーを選び、たっぷり配合したものが、ブレンデッド・ウイスキーの。プレミアム品である。


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