海で生きるための

実践気象学講座

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天気図を作ろう、と思ったら、天気記号を覚えとかなきゃ、始まらない。.で、
晴とは、曇とは、どういうことかも知っておかなくちゃ、ね〃

PART2
天気図の作り方
天気図を描く際には、天気も重要な因子になる。というのは、高気圧や低気圧、そして前線等には、それに相当する天気を伴っているため、これを参考にすれば、正確な天気図が描けるからである。天気は曇量と降水、その他の現象によってきまる。雲量は雲が全天を覆う割合で、0から10までの11階級に分けて表わす。つまり雲が全くないときは雲量は0、全天を覆っているときは雲量10で、全天の六割を覆っているときは雲量6というのである。そして降水その他の現象がないときには、天気は雲量によって次のようにきまる。

●快晴 雲量が0および1のとき。
●晴 雲量が2から8までのとき。
●曇 雲量9以上のとき。この場合、上層雲、または中層雲が主であるときは、それぞれ薄曇または高曇という。しかし、ラジオの放送では、これはつかっていない。降水、その他の現象があるときは、雲量には関係なく、その現象によって天気をきめる。
●煙霧 煙のような乾いた小さな粒子が、大気中に浮遊していて、見透し、つまり視程が2km未満の場合。
●ちり煙霧 風に吹き上げられたちりが、風が収まった後まで浮遊している現象。
●砂じんあらし ちりまたは砂が、強い風のために高いところまで激しく吹きあげられる現象。
●地吹雪 1度降った雪が風のために地面から吹き上げられる現象。
●霧 水滴が大気中に浮遊し、視程が1キロ未満の場合。
●氷霧 氷晶が大気中に浮遊し、視程が1km未満の場合。
●霧雨 細かい水滴の雨●雨 水滴の降る現象。
●雨強し 瞬間雨量強度が1時間にして15ミリ以上になる雨。
●にわか雨 急に降り始めて急に終る雨、または強度変化の著しい雨。
●みぞれ 雨と雪とが同時に降る場合。
●あられ 雪あられと氷あられがある。雪あられは白色不透明な氷の粒。氷あられは透明または半透明の氷の粒。
●ひょう 氷塊の降る現象。直径は5-50mm、ときにはそれ以上のものもある。
●雷雨 電光が見え、雷鳴がきこえる現象。

  天気図には図のような記号で、いま述べた天気を図の中に記入する。天気図を描くには、各地の気圧の値は重要な要素になる。気圧は1015ミリバールとか980ミリバールというように、だいたい1000ミリバール内外の値だから、千位と百位を省略して、lO15ミリバールならば15、980ミリバールならば80というように算用数字で、地点円の右側上に記入する。気温は摂氏の度数で放送される。
そして地点内の左上にそのままの値を、例えば13度ならば13というように算用数字で記入する。これで放送される陸上や海上の実況の記入要領が分ったが、次には漁業気象によって放送される高気圧や低気圧、それに前線の位買とこれらの進行方向とその速度等も記入する。こうしておくと等圧線を描くときの参考になる。また特定の等圧線がどのようになっているかも放送される。これも記入しておくと大いに参考になる。以上で放送される資料について、その全部説明した。次はもっともむづかしい等圧線の描き方であるが、
これは次号で説明する。



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放送される気象資料の記入の仕方。北東の風で、風力3、天気雨、気圧1008ミリバール、気温4度の記入例