●アメリカンウイスキー バーボン
移民たちがつくった火の酒
アメリカの地で、蒸留酒がつくられるようになったのは、十七世紀半ばからで、当初はもっぱら糖蜜が原料であった。その後、ヨーロツパから輸入したライ麦も使われるようになる。アメリカ産の穀物による蒸留所は、1770年にピッツバーグに生まれたのが最初といわれる。とうもろこし主体のウイスキーは、1789年、ケンタッキーで、牧師エライジャ・クレイグがつくったのが最初だとされているが、1783年にエヴァン・
ウイリアムズが試みたのが最初、とする説もある。現在、アメリカのウイスキーは、連邦法の規制のもとでつくられている。それによると、ウイスキーとは、穀物を原料にし、アルコール分95度未満で蒸留した後、オーク樽で熟成(コーン・ウイスキーだけは熟成させなくてもよい)させたもの、およびそれにスピリッツをブレンドしたものであり、40度以上で瓶詰めしたもの、となっている。この範囲内で個性を打ち出したいウイスキーは、アルコール分80度未満で蒸留
留し、内側を焦がした新しいオーク樽で熟成させる。その場合、原料にとうもろこしを51%以上含んでいればバーボン・ウイスキーとなり、ライ麦を51%以上含んでいればライ・ウイスキーとなる。ただし、とうもろこしを80%以上含み、樽熟成させないか、熟成させるにしても、内側を焦がしていないオークの新樽か、内側を焦がしたオークの古樽を使ったものはコーン・ウイスキーとなる。そして、こうしたウイスキーが、二年以上熟成された場合、名称の上に"ストレート"という語が付く。また、法的にはバーボンに分類されるが、テネシー州でつくられ、同州産のサトウカエデの炭で濾過してから樽熟成させたものは、商習慣上、テネシー・ウイスキーとして区別されている。このほか、ブレンデッド・ウイスキーが、アメリカ国内でかなり消費されている
る。これは、ストレート・バーボンやストレート・ライなどのストレート・ウイスキーを、二〇%以上ブレンド(アルコール分五〇度換算)したウイスキーのことで、残りの部分は、どんなウイスキーでもよく、ニュートラル、スピリッツでもよい。以上のうち、日本市場で人気のあるのは、何といってもバーボンだろう。バーボンも、最近は、新機軸を打ち出した製品が現れるようになって、日米のファンの注目するところとなっている。ひとつは、シングル・バレル・バーボン。樽同士のブレンドをせず、熟成のピークに到達したひと樽のみを、少量瓶詰めしたもの。もうひとつは、スモール・バッチ(少量生産)・バーボン。5〜10樽の熟成した優良バーボンをブレンドした、数量限定バーボン。両者とも、高級バーボン党の舌をとらえつつある。
★宝酒造
エンシェント・エイジ蒸留所は、
1869年、ケンタッキー州リース
タウンに、ベンジャミン・ハリソン・
ブランドンが興した。現在は、宝酒
造がオーナーになっている。また、
イーグル・レア、ベンチマークの2
つの銘柄も、この蒸留所でつくられ
ている。
銘柄名は"古き時代"の意味だが、
歴史の比較的浅いアメリカでは、"開
拓時代"を指している。
上掲〈2A〉は、スムーズでクリ
ーンな口当たりの一面、酸っぱさを
感じさせるコクがある。
〈3A〉は、酸っぱさがなく、種子
系リキュールに似た芳香をもつ。あ
と口もよく残り、熟成感が楽しめる 。
右から
エンシェント・エイジ〈2A〉40度700N\1, 30
エンシェント・エイジ10年〈3A〉 43度700N\3, 90
★興南物産
4年熟成、リーズナブル・プライ
スの普及命的、バーボン。発売元のク
リア・スプリング社は、大手、バーボ
ン蒸留業者ジム・ビーム社の子会社
で、当然、ジム・ビーム蒸留所で生
まれた原酒を使っている。パワーが
ありながら、どこか優しい味わい 。
ベル・オブ・ケンタッキー40度700N\2, 00
このベンチマークは、現在、ケン
タッキー州フランクフォートのエン
シェント・エイジ蒸留所でつくられ
ている。酒客は、測量用語の"水準
墓標"のこと。バーボンの基準とな
る味を目指してのネーミングだ。風
味は比較的軽く、樽熟成による甘や
かな味わいが、心地よい 。
ベンチマーク・、コールド45度750N\4, 00
ネルソン郡バーズタウンは、今や
バーボン蒸留の中心地の感がある。
それをそのまま酒客に採用したケン
タッキー・ストレート・バーボン。
同地のヘヴン・ヒル社で蒸留した原
酒を買い受け、独自に熟成させてか
ら製品化したもの。まろやかさのな
かに、コクも楽しめる味わい 。
バーボン・センター40度700N\3,200
★ニッカウヰスキー
酒客は、"オールド・グラン・グッ
ド"と呼ばれたバーボン先覚者の本
名。オールド・グラン・グッド用の
熟成原酒から選んで、スモール・バ
ッチ・、バーボンとして1992年に
発売。蒸留は、ジム・ビーム社。味
わい深い8年熟成品。
べーシル・ヘイデン40度750N\7、000
★ニッカウヰスキー
ジム一ビーム社の原酒から選んで、
スモール・バッチ・バーボンとして
発売したもの。べーカーとは、引退
した同社のマスター・ブレンダー、
べーカー・ビームの名にちなむ。ミ
ディアム・タイプだが、スパイシー
な香味をもつ。7年熟成品。
べーカーズ53・5度750N\8.000
★ニッカウヰスキー
ジム・ビーム社創業者の5代目の
子で、同社の名誉マスター・ディス
テイラーであるブッカー・ノウが、
優良バーボン原酒を樽出しの強さの
ままで瓶詰めしたもの。度数は強烈
だが、柔らかい植物系の芳香.があり、
味わいのバランスも絶妙。
ブッカーズ63.1度750N\10,000
★ニッカウヰスキー
酒名は、ケンタッキーを流れる小
川の名。ジム・ビーム社の比較的ア
ルコール度数の低い原酒を、特別に
内側を焼いた樽で9年間熟成させ、
スモール・バッチ・バーボンとして
発売。力強いフレーバーと、リッチ
な味わいをもつ。
ノブ・クリーク50度750N\6,000
★ボニリジャパン
ソサエティ・オブ・バーボン・コ
ニサーズ・キャスク・プルーフ(バ
ーボン愛好家協会・樽出し原酒)と
いうのが、フルネーム。優雅なバー
ボンを生むオールド・フィッツジェ
ラルド社の原酒を熟成、そのまま瓶
詰め。ほかに樽違い2種も入荷。
バーボン・コニサーズ20年51・2度750N\15,000
★国分
"バーボン・デラックス"という一
般名称的なブランド名は、1911
年、テキサスのエプスタイン社が、
これを発売するときにつけたもの。
ジム・ビーム社の原酒を使い、軽や
かな香りと、コクのある味でアメリ
カではポピュラー。4年熟成品。
バーボン・デラックス40度750N\1,800
エンシェント・エイジ社が、19
84年、子会社をつくって発売した
シングル・バレル・バーボン。
ブランドンは、エイジ社の蒸留所
を明年所有し、バーボンづくりの名
人とうたわれたアルバート・ブラン
ドンの名を記念したネーミング。
このバーボンの開発に当たったの
は、アルバート・ブランドンの愛弟
子、エルマー・T・リー。彼は、ブラ
ンドンから教えられた"最高のバー
ボンの条件"を、このブランドを生
み出すことで実現した。
★
ブランドンは、気温の低い秋から
冬にかけて、発酵、蒸留をする。
樽に詰められた原酒は、貯蔵庫で
受ける温度を一定にするため、高い
棚、低い棚を、繰り返し移動する。
そして、4年目にナイスティングし
て、優れた樽だけを選び、ブランド
ン用にさらに4年から6年熟成。冷
却、濾過のあと、ほかの樽と混ぜる
ことなく瓶詰めされる。
ブラックは、ややマイルドな製品。
.ゴールドは、選りすぐりの樽からの
限定品。芳醇なコクをもち、樽出し
原酒に近い51・5度。
右から
ブランドン・ブラック40度750N\4,410
ブランドン46・5度750N\9,170
ブランドン・ゴールド51・5度750N\13,960
★ユナイテッドリカー
ケンタッキー州ネルソン郡バーズ
タウンの産。発売元のバーボン・ロ
イヤル・ディスディリング社は、同
地の大手蒸留酒企業、ヘヴン・ヒル
社の子会社。したがって、このバー
ボンは、ヘヴン・ヒル、エヴァン・
ウイリアムズなどとは、姉妹品の関
係にある。
★
バーボン・ロイヤルは、すべてサ
ワー・マッシュ方式で発酵を行い、
さらに、蒸留後には、チャコール・
フィルターで濾過をする。そのため、
バーボン特有のコクをもちながら、
飲み口のマイルドな酒に仕上がって
いる。
★
上掲右のスタンダード品は、柔ら
かい味わいのなかにも、バーボン特
有の渋いクセがひそんでいる。
8年は、焦げ樽熟成8年の品。熟
成の効果が、味わいのなめらかさに
現れている。
12年は、蒸留の際、長期熟成に耐
える優良原酒を選び、じっくり熟成
させたもの。コニャックのように、
食後に賞味したい。
右から
バーボン・ロイヤル40度750N\2,200
バーボン・ロイヤル8年43度750N\3,200
バーボン・ロイヤルー2年50・5度750N\4,500
★ノアキャルジャパン
酒客は、"丸太小屋の中の蒸留器"
の意。1903年に商標登録したブ
ランド。以前は、オールド・フィッ
ツジェラルド蒸留所の産だったが、
今はヘヴン・ヒル蒸留所で、伝統的
製法でつくられている。ナッツのよ
うな甘い香りと、コクのある味。
キャビン・スティル40度700@\2,000
クレメンタインとは、ゴールドラ
ッシュ時代の1849年に、川で溺
死した娘の名。その名をつけたバー
ボンは、禁酒法時代以前に人気銘柄
だった。現在は、ヘヴン・ヒル社の
原酒を独自に熟成させ、デラックス.
バーボンとして製品化している。上
品な口当たり。
クレメンタイン50・5度750N\6,500
カーネル・リーは、南北戦争のと
き、南軍総司令官として戦ったR.
E・リー将軍のこと。製造元バート
ン社のメイン・ブランドは、ヴエリ
ー・オールド・、バートンだが、この
カーネル・リーは、それよりややア
クレッシヴな刺激味と甘みをもち、
優しさを秘めた軍人といった味。
カーネル・リー4年40度750N\1,300
エズラ・ブルックスというブラン ドは、ホフマン・ディスディリング 社が興したが、市場でさほど有名ではなかった。ところが1950年代の半ば、ジャック・ダニエルが急速に名声を挙げ、生産が追いつかない状況になったとき、そのジャック・
ダニエルの対抗馬として、マーケティング関係者が持ち上げたのが、このエズラ・ブルックス。
そして、ブランド所有権者が、バ ーボンの名門メドレー社に移り、PRに努めたため、バーボンの有名ブ ランドと目されるようになった。
1966年、「ケンタッキー州で最も優れた小さな蒸溜所」と アメリカ政府から称えられた名門、ホフマン蒸溜所で誕生したブランド。1980年代 ケンタッキー州西北部に位置するデーヴィス郡オーエンズボロに操業するジョン・メドレーがこの商標を買収、エズラ・ブルックスはメドレー社のメインブランドと
なる。1978年から88年までの10年間、エズラ・ブルックスの名声を高めたメドレー蒸溜所であったが、その後1988年に、グレンモア・ディスティラリーズ社の傘下となり、1991年にはグレンモア社がユナイテッド・ディスティラーズ社の傘下となる。
1993年、デイビッド・シャーマン社がエズラ・ブルックスの販売権を獲得、エズラ・ブルックス/オールド・エズラの蒸留はオーエンズボロからルイヴィルに移った。
現在は旧UDV系列の2つのプラントで造り、瓶詰めと販売はミズーリ州、セントルイスで瓶詰め専門に様々な酒類を生産しているデイビッド・シャーマン社が全て
のエズラ・ブルックス/オールド・エズラお製品化を担っている。現在ではボトリン グも同社によっておこなわれている。
連邦アルコール法により、原料中のトウモロコシ使用率を51%以上と規定されているバーボンだが、同社の場合決定量を上回る割合で良質のトウモロコシを使用して
いる。また、低い温度で低いアルコール度数に蒸留する為、味わいはなめらかで芳醇。さらに、石灰岩層の山間に立地するという好条件も高品質バーボンを生み出す要因となっている。
エズラ・ブルックスは、親しみのある味わい。
オールド・エズラは、 熟成による円熟味が楽しめる。
オールド・エズラ15年は、日本市場限定のプレミアムバーボン。オーエンズボロにある旧メドレー社の原酒を使い製品化しており、芳醇な香りとコクが身上。ニートで味わうべき本格派の銘酒。日本にエズラ・ブルックスが入ってきたのは1970年代
の終わりで、80年代中頃に日本向けに輸出した15年物のバーボンは当時では珍しい プレミアム品として高い評価を受けた。これは、オーエンズボロのメドレー社にあった秘蔵の樽をマスター・ディスティラーのチャールズ・W・メドレーがテイスティングをして選び、とかく熟成年数が長くなると樽香が強過ぎる傾向がある中、上手にバランスを考えてブレンドしたものである。
右から
エズラ・ブルックス 40度 700N \1,900 45度750N\2,100
オールド・エズラ (Old Ezra) 7年 50・5度 750N \2,700
オールド・エズラ (Old Ezra) 12年 50・5度 750N \4,000
オールド・エズラ (Old Ezra) 15年 50・5度 750@ \8,000
★サントリー
アメリカでも、日本でも、ベスト
セラー・バーボンの名をほしいまま
にしている銘柄。いまや、バーの定
番商品といっていい地位にある。
ケンタッキー州随一の都市、ルイ
ヴィルでつくられている。甘い香り、
素朴さのある味、あと口の切れのよ
さが、アーリー・タイムズの特徴。
★
左のブラウン・ラベルは、マスタ
ー・ブレンダーが日本のバーボンフ
ァン向けに厳選した原酒の数々をブ
レンド。深みのある味わい、豊かなコ
ク、華やかなオークの新樽の香りが
バランスよく溶け合っている。活性炭
濾過を2度繰り返すため、じつにな
めらかなのどごしに仕上がっている。
右から
アーリー・タイムズ40度700N\2,210
アーリー・タイムズ・ブラウン・ラベル 40度700N\2,210
★キリン・ジーグラム
ヘヴン・ヒル蒸留所産のバーボン。
ヘンリー・マッケンナとは、アイル
ランドからケンタッキー州フェアフ
ィールドに移住、1850年代に蒸
留を営んだ人物の名。下掲は、ミデ
ィアム・ライトな酒質。樽熟成によ
る甘い香りが、心地よく漂う。
ヘンリー・マッケンナ40度750N\3,350
★ビー・ビー・アールジャパン
バーボン蒸留業者としては最大規
模を誇る、パーズタウンのヘヴン・
ヒル社製。同社は、1889年、ウ
イリアム・ヘヴン・ヒルから農地を購
入。1935年から本格蒸留を始め
た。下掲は5年熟成のスタンダード
品で、さわやかな飲み口が心地よい。
ヘヴン・ヒル・オールド・スタイル40度700N\1,180
★ジャーディンW&S
この銘柄が生まれたのは、188
0年。ドイツから移民してきたアイ
ザック・ウルフ・バtンハイム.が、
弟の協力を得て、1897年にケン
タッキーで蒸留を開始した。I・W
は、アイザック・ウルフの頭文字。
ハーパーは、アメリカらしい名前に
するために、当時有名なダービー馬
を所有し、彼自身も有名であったブ
リーダーの名前からつけられた。
下掲のI・W・ハーパーは、UD
系列だったバーンハイム蒸留所でつ
くられたもの(同蒸留所を99年、ヘ
ヴン・ヒル社が買収したが、1・W・
ハーパーのブランド権までは買収し
なかった一。原料のなかでとうもろこ
しの占める比率が高く、ゴールド・
メダルはとうもろこしを86%使用し
ている。これがスムーズな味を生み
出す。
★
ゴールド・メダルは、6年以上熟
成の品だが、15年熟成古酒も使用。
酒質はミディアム・ライト。
101プルーフは、長期の熟成品
で、度数は101の半分の50・5度
だ。男性的なコシの強さと、スパイ
シーさが感じられるバーボン。
★
12年は、長期熟成を経たスムーズ
でなめらかな味わいをもつ酒。独特
のクリスタル・デカンターに入った
プレミアム・バーボンだ。
プレジデント・リザーヴは、高品
質の原酒を長期熟成させ、そこから
選んだ原酒だけを使った同社自慢の
高級酒。
右から
I・W・ハーパー・ゴールド・メダル40度700N\2,900
I・W・ハーパー10ープルーフ50・5度750N\5,000
I・W・ハーパー12年43度750N\5,000
I・W・ハーパー・プレジデント・リザーヴ 43度750N\20,000
★ビー・ビー・アールジャパン
この銘柄が生まれたのは、185
5年。ケンタッキー州アンダーソン
郡で、ブラウン家が創始した。現在
は、隣のネルソン郡のヘヴン・ヒル
蒸留所でつくられている。チャコー
ル濾過後に樽熟成。マイルドな酒質
ながら、コクも豊かに備わる。
J・T・S・ブラウン10年43度750N\4,386
★ビー・ビー・アールジャパシ
ー836年にジョセフ・ワシント
ン・タントによってつくり出された
銘柄。現在、優れたバーボンは、た
いていサワー・マッシュ方式でつく
られているが、これは1836年に
タントが発明した技法という。ヘヴ
ン・ヒル社傘下の銘柄のひとつ。
J・W・タント40度750N\1,707
★ニッカウヰスキー
ジム・ビームは、バーボンのトッ
プ・セラー・ブランドだ。
ビーム家の祖先は、ドイツからの
移民。ベームという家名を、アメリ
カ式のビームという名に変え、農業
に従事。1795年、ジェイコブ・
ビームがワシントン郡でウイスキー
蒸留も手がけるようになった。
ビーム家が蒸留業者として大きく
発展したのは、ジェイコブから4代
目に当たるジェームズ・B・ビーム
の時代である。ブランド名のジム・
ビームは、彼の名にちなんでいる。
★
ビーム社のバーボンの特徴は、ホ
ップを加えた培養液で酵母を育てる
こと、原料のライ麦使用比率が高い
こと、サワー・マッシュ方式で発酵
させるときに加える蒸留廃液の添加
量が多いこと、蒸留および熟成の際
のアルコール度が低いこと、など。
ジム・ビームは、4年熟成。軽い
酒質で、ワインに似た風味。ジム・
ビームズ・チョイスは5年熟成によ
るコクが出ている。8年は、熟成に
よるマイルドな口当たりと、スムー
ズな飲み口。
右から
ジム・ビーム40度700N\2,120
ジム・ビームズ・チョイス40度700N\2,770
ジム・ビーム8年ブラック・ラベル 43度700N\2,970
ケンタッキー州パーズタウン町の
産。同地のヘヴン・ヒル蒸留所の原
酒を、独自に熟成、瓶詰めしている
もの。同じ系列の製品、ノアーズ・
ミルの兄貴格といった存在のバーボ
ンだ。
ジョニー・ドラムというブランド
が生まれたのは、1870年。当時、
この町で酒類セールスをしていたジ
ョニー.ドラムという人物が、樽買
いしたバーボンをブレンド、自分の
名をつけて売ったのが始まり。
下掲右の4年は、やや荒削りなが
ら、若者向きの味がある。12年は、
ややなめらかさの出た上級品。
15年は、バーボン・ファンの心を
ひく複雑味を秘めたプレミアム品。
熟成による味の深さが楽しめる。
右から
ジョニー・ドラム4年43度750N\2,600
ジョニー・ドラム12年43度750N\4,000
ジョニー・ドラム15年50・5度750N\7、500
★オセル
カリフォルニア州のサンノゼ市で
瓶詰め、発売しているバーボン。ケ
ンタッキー州の熟成庫に眠っていた
古酒を引き取り、カリフォルニア在
住の高所得者で、美味追求にも熱心
な階層に向けて売り出したもの。樽
出しの強度。深い味わい。
ジョシュア・ブルックス15年57・5度750Nオープン価
★ポッカコーポレーション
ケンタッキーの蒸留の町パーズタ
ウンにある業者が、同地のバーボン
原酒を独自に熟成、ブレンドのうえ
製品化しているもの。サワー・マッ
シュ方式による複雑味のあった原酒
が、7年間の樽熟成によって、まろ
やかな香味に生まれ変わっている。
ケンタッキー・クラブ40度750N\2,970
★協和発酵
Colonelとは"陸軍大佐"のこと
だが、19世紀、ケンタッキーでは腕
のよい蒸留技術者もそう呼ばれてい
た。これもそうした技術者の1人に
よって1856年に生み出された銘
柄。現在はジム・ビーム社の原酒を
使い、味はライト。
ケンタッキー・コロネル40度750N\2,191
このブランドの起源は、1796
年。開拓初期のケンタッキーで、ベ
イジル・ヘイドンが蒸留したのが始
まり。のち、188。〔年、孫のレイ
モンド・B・ヘイドンが、祖父の創
業に敬意を払い、自社バーボンに、
"オールド・グラン・グッド(おじい
ちゃん)"という酒名を付けた。
現在は、ジム・ビーム社でつくら
れているが、昔ながらの甘い感じの
芳香、ライ麦に由来する味などの特
徴は、そのまま残すようにつくられ
ている。
酒名の数字はプルーフ表示で、半
分にすると度数になる。右は6年熟
成品。左は、樽出しのままの強さ、
複雑味に優れ、あと味が長く続く。
右から
オールド・グラン・グッド86 43度700N
オールド・グラン・ダッド114 57度750N\7,000
★ユナイテッドリカー
製造元は、ネルソン郡パーズタウ
ンで、同地の蒸留業者から入手した
バーボン原酒を独自に熟成させ、バ
ランスのよいバーボンに仕上げてい
る。
オールド・ケンタッキー・アンバ
ーは酒名どおり深い琥珀色(アンバ
ー)をもったバーボン。10年熟成の
品。
88は、パーズタウンでのバーボン
づくり200年(1788-198
8年)を記念して、1988年に新
発売されたもの。熟成13年以上の原
酒だけをブレンドしたもので、バー
ボンの伝統的な味わいをもちなが
ら、香味のバランスがよく、切れ上
がりのすっきりした製品。
右から
オールド・ケンタッキー・アンバー 45度750N\5,200
オールド・ケンタッキー88 47度750N\7,500
★重松貿易
バーボンが似合う街、バーボンが
よく飲まれる土地が、ミシシッピー
河口のニューオーリンズ市。下掲バ
ーボンは、その都市のイメージに沿
って生まれた新しいブランド。昔か
らこの土地で蒸留されていたという
わけではない。
酒は、バーボン蒸留のメッカであ
るケンタッキー州パーズタウンの
産。とうもろこし、ライ麦、大麦麦
芽でつくるヘヴン・ヒル蒸留所の原
酒を、独自に熟成させたもので、口
当たりは、ジョニー・ドラムによく
似ている。
熟成の度合いに応じて、アルコー
ル度数を違えて製品化。アンチペラ
ムとは"南北戦争以前"の意。
オールド・ニューオリンズ40度750N\3,000
オールド・ニューオリンズー2年40度750N\5,000
オールド・ニューオリンズ・アンチペラム 53・5度750N\8、000
★ボニリジャパン
バーボン生産の中心地、パーズタ
ウンでつくられているスモール・バ
ッチ・バーボン。熟成のピークに達
した数樽だけを製品化した、生産量
限定品だ。梨、レモン、蜂蜜を連想
させる香り。ミディアムボディなが
ら、口当たりはス ムーズ。
ローワンズ・クリーク12年50・05度750
★日本酒類販売
もと、日本酒類販売(株)とナシ
ョナル・ディスティラリー.ス(N
D)社が、日本市場向けに共同開発
したブランド。NDは、その後ジム・
ビーム社に吸収された。酒名は、カ
ウボーイのかぶるツバの広い帽子の
こと。バーボン独特のコクとフレー
バーがあり、味はまろやか。
テンガロン・ハット40度750N\1,800
★明治屋
この銘柄は、1879年にトム・
ムーアが蒸留所を建てて、製造を始
めた。1944年に、パーズタウン
のバートン社傘下に入っている。現
在、バートン社の原酒をこのブラン
ド向けに熟成、ブレンドしてつくら
れている。甘い香りと、ライトです
っきりした飲み口が身上。
トム・ムーア40慶700N\2,200
★マルカイコーポレーション(右3
本)★オセル(全てオープン価)★ノアキャルジ
ャパン(左端)
ケンタッキー州パーズタウンの蒸
留所、ヘヴン・ヒルで蒸留されたバ
ーボン原酒を買い受け、独自に長期
熟成させたデラックス・バーボン。
日本には、1990年から、断続的
に輸入されてきている。
★
ヴエリー・オールド・セント・ニッ
ク(古老・聖ニクラウス)という酒
名については、ひとつのストーリー
が語られている。その昔、セント・
ニックと呼ばれたバーボンづくりの
老人がいた。毎年、クリスマス・シ
ーズンが近づくと、特別熟成のバー
ボンを、少量瓶詰めして売り出して
いたという。その故事にちなんで酒
客にした、という話だ。セント・ニ
ック、聖ニクラウス(つまりサンタ・
クローズ)、そしてクリスマス。でき
すぎた話で、信ずるもよし、ウマイ
と感心するもよし。キリスト教徒の
ハートをくすぐるためのストーリ
ー、と納得しておく。
★
ともあれ、ヘヴン・ヒルの原酒で
つくるバーボンは、200銘柄以上
あるが、下掲バーボンは、そのなか
でも質的に上位にあるといえる。熟
成を3人で見守り、瓶詰めも、その
3人で年に2回行うのみという。
酒は、野性味をアクセントにもつ
香味豊かなタイプ。
下掲以外に、12年、18年、19年も
入荷。8年、15年、17年には、樽出
し強度のボトルもある。
右から
ヴェリー・オールド・セント・ニック8年 43度750N\4,500
ヴ ェリー・オールド・セント・ニック15年 53・5度750N\6,500
ヴ ェリー・オールド・セント・ニツク17年 47度750N\7、000
ヴ ェリー・オールド・セント・ニック20年 47度750N\15,000
★三国コカ・コーラ
ネルソン郡パーズタウンで、ヘヴ
ン・ヒル社と盛名を二分しているバ
ートン社の製品。同社のメイン・ブ
ランドだ。酒は、サワー・マッシュ
方式による香気が高く、切れのいい
カラッとした舌ざわりをもつが、上
質アルコールの甘みもある佳酒。
ヴ ェリー・オールド・バートン・ボトルド・イン・ボンド
50度750N\4,390
ティラリー★オセル(15年、20年ともにオープ
ン価)★バレンタイン(20年のみ)
アメリカでは、単に"ヴァン・ウ
ィンクル"で通用しているバーボン
で、とうもろこしのほかに小麦を使
い、ライ麦は使用していない。
禁酒法時代以前から、W・L・ウ
ェラー社が各蒸留所の原酒を独自に
ブレンドして発売してきた。酒名は
1893年にこの社に入り、バーボ
ン営業に腕を振るったジュリアン・
"パピー〃・ヴァン・ウィンクルにちな
んでいる。彼は、小麦使用のバーボ
ンを10年以上熟成させたものが好き
だった。その意を体し、現在はヴァ
ン・ウィンクル家がこの熟成バーボ
ンを発売。酒質は、骨格たくましく、
芳香豊か。あと味も長く続く。
オー ルド・リップ・ヴァン・ウィンクル15年 53・5度750Nオープン価
パピ ー・ヴァン・ウィンクルス20年45・2度750N\60,000
★巴工業
ムフやバーボン蒸留のメッカになっ
た感のあるのが、ケンタッキー州パ
ーズタウンの町。下掲は、そのパー
ズタウンの業者メドウローン・ディ
スディリング社が、製品化している
もの。社名にディスディリング一蒸
留)と付いているが、これは蒸留所
で蒸留しているという意味ではなく
て、蒸留酒を取り扱っているという
意味。同じパーズタウンにあるヘヴ
ン・ヒル社から、蒸留したバーボン
原酒を買い受け、独自に熟成させた
うえで製品化している。
ヘヴン・ヒル社は、このように原
酒を樽売りする例が多く、同社原酒
を使ったブランドは、200を超え
るといわれている。
★
バーボン原酒は、樽熟期間のちが
い、熟成庫の自然条件のちがい、ブ
レンド技術のちがいなどによって、
香味に差が生まれてくる。
ヴァージンは、ヘヴン・ヒル原酒
を使ったもののうちでは、風味が重
厚、骨太な口当たり、辛口で切れ上
がりのいいバーボンと定評がある。
15年は重厚この上ない味。21年は熟
成による奥深い味わいがある。
右から
ヴァ ージン7年50・5度750N\3,200
ヴァ ージン10年50・5度750N\4,700
ヴァ ージン15年50・5度750N\8,200
ヴア ージン21年50・5度750N\20,000
★ベルノ・リカール・ジャパン
ワイルド・ターキーとは、野生の
七面鳥の意。1855年創業の輸入
酒商オースティン・ニコルズ家が、
禁酒法解禁後に興したブランド。ニ
ューヨークのマッカーシー家は、毎
年サウスカロライナ州で、友人たち
と七面鳥狩りをしていたが、その日
のための特別ブレンド・バーボンを、
ワイルド・ターキーと名づけ、ニコ
ルズ家が納入したのか始まり。
そのバーボンが、全米的な人気酒
になったのは、第2次世界大戦後。
アイゼンハワー大統領が愛飲してい
ることが報じられてからである。
1960年代まで、ニコルズ家は
蒸留所をもたず、主としてJTSブ
ラウン蒸留所(現存しない)から購
入した原酒をブレンドしていた。
しかし、1971年に、ケンタッ
キー州ロレンスバーグのリビー蒸留
所を買収することができ、以後は、
自社で蒸留から熟成まで一貫して行
っている。
ワイルド・ターキーの特徴は、頑
固なほどに豊かな風味をもつ点。
下掲右のスタンダードは、その特
徴をややソフトにした、1999年
発売のバ!ボン。
8年は、豊かな香りと味をもつ主
力商品。香味のあと口が長く続く。
レア・ブリードは、熟成のピーク
に達した樽を選び、樽出しのままの
強さで少量生産しているもの。従っ
て度数は瓶によって多少異なる。コ
クがありながら、スムーズな味わい。
12年は、赤ワインに似た深く豊か
な香りと、しっかりしたコクをもつ。
右から
ワイルド・ターキー・スタンダード 40度700N\2,300
ワイルド・ターキー8年50・5度70oN\3,150
ワイルド・ターキー・レア・ブリード 約54・5度700N\5,950
ワイルド・ターキー12年50・5度70oN\7,000
★廣屋インターナショナル
ケンタッキー州オーエンズボ一町
の名蒸留家、メドレー家の7代目と
8代目親子が最近復活させた佳酒。
蒸留所は、旧グレンモア社や旧UD
社に売られていたが、メドレー家が
買い戻し、秘蔵古酒を瓶詰めしたの
が上の酒。シングル・バレルの品。
ワツセンズ47度750N\6,000
★サントリー
ブラウン・フォーマン社が、休眠
中のラブロー&グラハム(L&0)蒸
留所を再建96年から単式で蒸留を
開始。そのバーボンは、2002年
に市場に出る予定。下掲は、同社の
オールド・フォレスター用原酒から
選び、L&G蒸留所で熟成させたス
モール・バッチ・バーボン。
ウッドフォード・リザーヴ 45・2度750N\5,000
★重松貿易
酒名のザ・イエロー・ローズ・オ
ブ・テキサス(テキサスの黄色いバ
ラ)というのは、南北戦争時代の1
860年代に歌われたバラード。そ
の中に登場する女性のことも指す。
現在、このバーボンは、ネルソン
郡パーズタウンにあるヘヴン・ヒル
社の蒸留原酒を使っている。内側を
焦がしたホワイト・オークの樽に詰
められた原酒は、発売元ケンタッキ
ー・リザーヴ社の熟成庫で、眠りの
時を過ごす。
下掲右は、4年熟成品。ライト・
タイプのバーボン。8年は、落ちつ
いた味わい。15年は、長期熟成によ
り枯れた味わいのバーボンとなって
いる。
右から
ザ ・イェロー・ローズ・オブ・テキサス 40度750N\3,000
ザ・イェロー・ローズ・オブ・テキサス8年 45度750N\4,000
ザ・イエロー・ローズ・オブ・テキサス旧年 50・5度750N\10、000
★サッポロビール
イエローストーンは、ワイオミン
グ州の国立公園名。1872年ごろ
国立公園として開園したが、それに
ちなんで、このブランドが生まれた
という。
ブランド創始者の名は、J・B・
タント。サワー・マッシュ方式採用
で有名なJ・W・タントの弟で、1
836年からウイスキー高として活
躍していた。その彼が発売したイエ
ローストーンは、禁酒法時代にも、
医薬品として売られたという。
現在は、ミズーリ州のシャーマン
社が、瓶詰め、発売している。下掲
は、グレンモア蒸留所の原酒使用。
甘い樽香をもつミディアム・タイ
プ。
イ エローストーン43度750N\2,450
イ エローストーン7年45.5度750N\3,390
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