Japanese Brandy
日本のブランデー


●香り、味ともにマイルド

国産ブランデーの誕生がいっだったの
か、確かな記録は残っていない。ただ、
一ハ九三年(明治二十六年)の雑誌広告
に"大黒天田ブランデー〃という商品が
掲載されているので、その時代にすでに
存在していたことは確かだ。
しかし、本格的な国産ブランデーが登
場するようになったのは、第二次世界大
戦後の混乱がおさまった一九六〇年代以
降とみるのが妥当なようである。この頃
から、原料ぶどうの生産が軌道に乗るよ
うになった。また、メーカー側に、フラ
ンスのコニャック地方で使用しているの
と同じ形式の単式蒸留器を設置するとこ
ろがあらわれ、本格的にブランデーに取
り組む姿勢が見られるようにもなったの
である。
現在、国産ブランデーの多くは、サン
テミリオン種(ユニ・ブラン種)や甲州
種を原料にしている。蒸留には、単式蒸
留器と連続式蒸留機が併用され、貯蔵に
はホワイト・オークの樽が用いられる。
ただ、日本の気候、風土は、ブランデ
ー用ぶどうを栽培するのにあまり向いて
いるとはいえない。そのため、製品には
国産の原酒に輸入原酒をブレンドしたも
のが多い。この場合、海外提携先の生産
拠点で自ら原酒を生産したり、日本人の
舌に合うような原酒を丹念に探したりし
て、輸入している。
現行の酒税法では、ブランデーを「果
実または果実と水を原料として発酵、蒸
留したもの」としている。つまり、原料
としてぶどうのほかに、りんご、梨、み
かんなどを使ってもかまわない。これは
カルヴァドスが、りんこと梨を原料とし
ながら、ブランデーの銘酒として扱われ
ているのと同じ、と理解すればよい。
国産ブランデーの風味上の特徴は、香
りと味がマイルドなこと。ひとつの個性
を突出させるより、全体のバランスのほ
うに重点をおくタイ。フの酒だ。そのせい
で、水割りで飲むのに向いているし、製
菓用としても無難な風味になっている。


協和発酵

山梨市にあるサントネージュワイン株式会社の製
品。同社は、1942年日本ブドウ酒株式会社とし
てスタート。1962年に大平酒造(1947年設
立)を合併し、現在の社名になった。ブランデーの
製造は1949年から行っている。なお、同社株の
大半は協和発酵の所有。サントネージュとは、フラ
ンス語で"聖なる雪"の意。VSOPは、1966
年、ブダペスト第5回国際ワイン・コンクールのブ
ランデー部門で金賞を獲得した。マイルドな味わい
が特徴。XOは、芳香が深まっている。XO・グラ
ンデは、長期熟成による洗練された香味が楽しめる。

  
サントネージュ・VSOP40度720N\2,373
サントネージュ・XOJ度720N\3,325
サントネージュ・XO・グランデ40度700N\4,401


キリン・シーグラム

キリン・シーグラムのブランデーは、国際的な巨大
酒類企業シーグラム・グループの世界的協力を得で
つくられる。まず、日本人の嗜好を深く分析して、
"日本人のための、ブランデー"の理想の姿を追求。そ
して、ウイスキーづくりで培ったブレンド技術を生
かしながら製品を開発している。最初に発売された
のが1983年のシャトラン・VSOP。以後、シ
ャトラン銘柄のブランデーを発表してきたが、19
96年からはキリン・シーグラム銘柄へ移行してい
る。VSOPは、フルーティーな風味、すっきりし
た飲み口、さっぱりしたあと味が特徴。XOは、よ
り上品な香りと味わいを実現したもの。×0・デラ
ックスは、その傾向がより深まっている。


キリン・シーグラム・VSOP
40度660N\2,230
シャトラン・VSOP40度720N\2,360
キリン・シーグラム・XO40度660N\2,970
キリン・シーグラム・XO・デラックス40度700N\4,420


池田町ブドウ・ブドウ酒研究所

北海道中部、十勝地方にある池田町の名を全国に知
らしめた"十勝ワイン"の姉妹品。1967年、ワ
イン、シェリーとともにトリオで発売された。この
ブランデーはワインに振り向けなかったぶどうを、
軽く搾っていったんワインにしたあと、オリ引きを
したうえ2回蒸留。フ一フンスのリムーザン地方産の
オークの樽で熟成させたもの。製品は、いずれもブ
ランデー原酒100%の品。シェンティール・VS
OPはm年熟成原酒でつくり、優雅な味わいが身上。
XOは長期熟成させた原酒を選んでブレンドしたも
の。スフレンダー(壮麗)はその名のように、芳醇
な香味に富んでいる。(各700N)


十勝シェンティール・VSOP40度\2,500
十勝スフレンダー・XO40度\5,000


江井ケ嶋酒造

清酒"神鷹"をつくる兵庫県明石市の江井ケ嶋酒造
の製品。山梨の自家農園産原酒と、輸入コニャック
をブレンドしたもの。1960年代から、市場に送
り出している。ブランデーの特徴は、芳醇な香りと、
マイルドな口当たりにある。


シャルマン・VSOP43度720N\2,180


太田酒造


琵琶湖畔でワインをつくっている太田酒造が、その
ワインの一部を蒸留し、リムーザン樽で10年以上熟
成させたブランデー。アルコールを添加しないピュ
ア・グレープ・ブランデーである。太田酒造は、太
田道灌を遠祖にもち、灘で清酒も醸造している。


ドーカン・VSOP40度720N\3,400
ドーカン・VSOP陶器入40度720N\5,000


サントリー


サントリー・ブランデーの歴史は、1935年にス
タート。新潟県岩の原にぶどう園を開き、大阪府下
の道明寺工場で蒸留を開始した。さらに翌年には、
山梨県登美高原に150町歩のぶどう園(現在の山
梨ワイナリー)を確保。ワインとブランデー.づくり
のための冨具体制を整えた。蒸留したブランデーの
一部は、1938年に、ヘルメス・ブランデーとし
て発売されたが、第2次大戦が始まり、ブランデー
の本格的発売は、1952年までもち越された。1
962年、ヘルメス・ブランデー・VSOP発売。
輸入コニャックしか飲まなかった層にも、好評で迎
えられた。翌年、サントリー・ブランデー・VSO
Pと改称され、現在では日本のブランデーのトッ
プ・ブランドになっている。華やかでフルーティー
な香りと、まろやかな味わいをもつ。
VOは、若い世代向けの製品。とくにプチ・フルー
ティは、マスカット香をもち、やや甘口。小容量の
キュートなブランデーだ。XOは、オトナの時間を
過ごしたい人向き。深い香りと艶やかな味をもつ。
XO・デラックスは、XOより熟成感と芳醇さが備
わっている。XO・スーパーデラックスは、ω年熟
成古酒を含む長期熟成原酒に、赤ワイン樽仕上げの
原酒をブレンドしたもので、円熟した味わいのブラ
ンデー。ノーブル・ドールは、"黄金の貴族"の意。
豊かな熟成感をもち、フルーティーで華やかな香り
に特徴がある。インペリアルは、同社の最高級品。

    
サントリー新V037度640N\1,000
サントリー・VO・デラックス・華37度640N\1,380
サントリー・VO・プチ・フルーティ37度250N\600
サントリー.VSOP40度720N\2,360
サントリー・VSOP(フロスティボトル)40度660N\2,230

    
サントリー・VSOP(スリムボトル)40度660N\2,230
サントリー新XO40度700N\3,000
サントリー新XO(スリムボトル)40度660N\2,970
サントリー・XO・デ一フックス40度700N\4,4oLO
サントリー・XO・デラックス(スリムボトル)40度660N\4,250

  
サントリー・XO・スーパーデラックス40度700N\5,000
サントリー・ノーブル・ドール40度700N\9,200
サントリー・インペリアル40度600N\19,OOO


メルシャン


メルシャンの前身は、1889年(明治聖年)に宮崎
光太郎が東京市日本橋区に設立した甲斐産商店まで
さかのぼることができる。設立に当たっては山梨県
勝沼の大日本山梨葡萄酒会社(1877年創業、18
86年解散)から酒造器具一式を譲渡してもらっ
た。同商店は、1893年大黒天田ブランデーを発
売。国産ブランデーとして市販されたものの第1号
といわれている。1934年に大黒葡萄酒Mへと発
展1962年には合併により三条オーシャンMと
改称。のち、三条Mを経て、メルシャンMとなった。
VOはブランデー・ユーザーとなるための入門酒と
いった位置づけの製品。口当たりライト。VSOP
(2種)はふくよかな香りと、マイルドな味にまとめ
てある。XOは熟成を長くとり、VSOPの高グレ
ード品といった位置づけの品。XO・デラックスは
XOの上級品で、濃厚な味わいが楽しめる製品。


メルシャン・V037度640N\1,000
メルシャン・VSOP40度660N\2,170
メルシャン・VSOP40度720N\2,300
メルシャン・X040度660N\2,970
メルシャン・XO・デラックス40度660N\4,450


サッポロビール


サッポロビールの子会社、サッポロワイン株式会社
の岡山ワイナリーで生まれたブランデー。同ワイナ
リーは、岡山市北東約20H、吉備高原にある。ドル
チェとは、イタリア語で"優美に""やわらかに"の
意。音楽関係の用語を導入したもの。吟味して輸入
したコニャック、アルマニャック原酒と、自社の単
式蒸留器によるブランデー原酒の3つを、互いの持
ち味を大切にしながらブレンドしたもの。


サッポロ・ドルチェ・VSOP40度700N\2,310
サッポロ・ドルチェ・XO40度700N\3,280


ニッカウヰスキー


ニッカウヰスキーは、1934年、北海道余市町で
大日本果汁株式会社として発足。余市特産のりんご
の果汁を売りながら、ウイスキーとりんごを原料と
するブランデーの蒸留を始めた。第2次大戦中、生
産は一時中断したが、戦後に訪れた洋酒ブームのな
かでりんごを原料とするブランデーの生産を再開。
1964年には、"カルヴァドス・タイプ〃と銘打っ
たニッカ・ブランデー「ファイブスター」を発売し
ている。現在、ニッカは、フランスのコニャック地
方に、ドンピエール蒸留所を所有する。そこのコニ
ヤック原酒を中心に、フランス産ブランデーをブレ
ンドしたのが、ドンピエール・VSOと、ドンピエ
ール・VSOP。ドンピエール・XOは、やはり同
蒸留所の原酒を主体にしたもので、豊かな熟成感
と、華やかな香り、すっきりした味が特徴。他のニ
ッカ・ブランドのブランデーはぶどうを原料とする
ものと、りんごを原料とするものとの2路線で構成
されている。ぶどうを原料とするブランデー群は、
フランスのコニャック地方を中心とする原酒をブレ
ンドし、フルーティーさをもつようにつくられる。
アランビックは単式蒸留器で丹念に蒸留した原酒だ
けを使ったこだわり派内けのブランデーだ。一方、
酒名に"白"とついている3種は、りんごを原料と
するもの。青森県産のりんごを使った原酒を長期熟
成させ、りんごならではのまろやかな口当たりと、
華やかな香りを備えている。なお、白はりんごの花
の色にちなんだもの。


ドンピエール・VS037度640N\1,000
ドンピエール・VSOP40度660N\1,540
ドンピエール・XO40度660N\2,240
ニッカ・VSOP・デラックス40度660N\2,240
ニッカ・アランビック40度700N\2,700


ニッカ・XO40度660N\2,980
ニッカ・XO・デラックス40度660N\4,430
ニッカ・VSOP"白"40度720N\2,370
ニッカ.OX〃白〃40度660N\2,980
ニッカ・XO・デラックス"白"40度660N\4,43


林農園

長野県塩尻市の桔梗ケ原で、五一わいんをつくって
いる林農園の製品。同国の創業は、1910年。酒
名の五一は、創業者林五一の名にちなんだもの。長
野県に豊富なコンコード、ナイヤガラのぶどうでつ
くった原酒をベースに、ブレンドしてある。


五一・VSOP43度720N\2,08


福徳長酒類

福徳長酒類は1953年、森永製菓の酒類部が分離、
独立して生まれた森永醸造が前身。1991年に現
社名となった。ブランデーの発売は、1958年か
ら。フランスのコニャック地方から輸入したブラン
デー原酒と、同社久留米工場で独自に製造、熟成さ
せた原酒をブレンド。華やかな香りと、深みのある
まろやかな味わいが特徴。


モリエール・ブランデー・オー・ド・ヴィー・ナポレオン40度700N\2,316


モンデ酒造

モンデ酒造の前身は、1952年創業の東邦酒造。
モロゾフというブランド名で、ウオツカ、リキュー
ルを盛んに発売した。その後、モロゾフ酒造と社名
を変更さらに現在のモンテ酒造に名称を変更した。
同社は、現在、このブランデー以外に、ウイスキー、
リキュールも製造、発売している。ブランデーは、
マイルドでフレッシュな香味が身上。(各720N)


モンデ・エクストラ40度\1,572
モンデ・ナポレオン43度\2,381


本坊酒造

鹿児島の焼酎"桜島"で有名な本坊酒造が、山梨工
場で1963年から製造を始めたブランデー。現在
は、信州工場で、山梨県産ワインを蒸留、フランス
産原酒をブレンドしている。樽香ののった重厚な香
りと、まろやかな味わいが身上。
マルス・VSOP43度720N\2,28


マンズワイン

山梨県勝沼のマンズワイン株式会社の製品。同社設
立の1962年に、コニャック式単式蒸留器を設置
して、甲州産上質白ワインの蒸留を開始。以後、フ
レンチ・オーク樽でじっくり熟成させた原酒で、製
品をつくっている。瓶は革袋をデザインしたもの。


マンス・XO40度700N\2,90


    

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