Single Distillery Cognac
シングルーディスティラリー・コニャック

シングルーディスティラリー・コニャックとは
元来コニャックとは、フランス南部コニャック市を中心としたシャラント地方(シャラント県とシャラント・マリティム県)のみで造られた酸味のきいたフルーティーなワインを蒸留したお酒のことをいう。コニャック蒸留に用いられるアランビック一蒸留釜)は簡単な単式蒸留器で、カブト金の上部に球形の部分があり、このような蒸留釜は、シャラント型ともい
われる。コニャックは二度蒸留が行われるが、一度目の蒸留でアルコール濃度が25%ぐらいになり、これを再審してアルコール濃度を60〜70%にする。コニャックではこの再審が原酒の
個性を決めるといわれ、各コニャックハウスは独自のノウハウを持っている。コニャック地方の約8万ヘクタールのぶどう畑の中には150もの蒸留所(ディスティラリー)があり、それぞれが個性的な原酒を造っている。様々な地域のぶどうで出来た、様々な味わいのワインを原料とし、カスタムメイドのアランビック(蒸留釜)で代々受け継がれてきた独特の蒸留技術を駆使している。
コニャックは、スコッチウイスキーと並ぶ、世界有数の蒸留酒の一つであるがその多様性や個性となるとあまり語られる事がない。それはコニャックがウイスキーと異なり、基本的に様々な原酒のブレンドによって造られるという特徴に起因している。ブレンディングによって造られるまろやかな味わいがコニャックの美質である。このため、ブレンディングによる味わいのハーモニーをより豊かにすることがコニャックの価値を高めることであった。大手のコニャックハウスが様々な原酒のストックを蓄え、ブレンディングの技を磨けば磨くほどこの傾向は強まってきた。こうした蒸留所の原酒の中には、ブレンディンクの技に頼らずとも、その単体だけで十分な魅力を発揮する高品質な原酒が数多くある。このような単体で、原酒ありのままの個性を楽しむためのコニャックがシングル・ディスティラリー・コニャックである。シングル・ディスティラリー.コニャックはテロワール(土壌)と蒸留所それぞれの伝統と個性が楽しめる。


それぞれのディスティラリー(蒸留所)の詳しい紹介
「ル・プー」蒸留所
デリケートでエレガントなコニャック

自然とのハーモニー
フランス北西部に位置するシャラント地方。景色の
美しいこの土地のなだらかな丘陵の「頂点」に建て
られた蒸留所がある。その名も「ル・プー」(ラテン
語で「頂点」を意味する)蒸留所である。コニヤッ
クの原料であるぶどう栽培地区の中でも最高ランク
に指定されているグランド・シャンパーニュ地区で
ワイン蒸留に携わって50年。豊かな自然の恵みと長
年に渡って磨き上げられた職人の腕によって醸し出
されるハーモニーがそのまま「ル・プー」のコニヤ
ックに表れている。
絶妙なバランス
蒸留は、技術や科学的知識に加え、微妙なコツと勘
のいる、いわば芸術的ともいえる職人作業が要求さ
れる。作業ひとつひとつに細心の注意が払われ、綿
密な観察が繰り返され、職人一人一人が納得のいく
までナイスティングを行う。特に重要なのは、ブル
イーを分離するとき(第一段階の蒸留)とクールを
分離するとき(第二段階の蒸留)である。この段階
で優れた職人はやがてどのような芳香が形成される
かを見極め、絶妙なバランスを引き出す。

デリケートでエレガント
18世紀から伝わる伝統的な背の高いボトルに、淡い
、コールドの液体がきらきら輝き、そのエレガントな
容貌は飲む人の興味を引き立てる。ル・プーの職人
たちの作った芸術品は、デリケートで個性的。長い
余韻がひとときの安らぎをもたらしてくれる。

ナイスティングノート
ぶどうと花の香りと微かなオーク材の
香りが伴った、フレッシュで、そして
まろやかな味が長く余韻を残す。

「ル・プー」蒸留所のアランビックイ

「イザンバール」蒸留所

-セツシューアルなニュアン一

スが漂うコニャック

歴史の誘い
「イザンバール」。どこか北欧の響きのあ
る名称である。おそらくは古代西コー
ド族やケルト族の侵入に関係があるの
だろう。イザンバール家は1833年以
来、シャラント地方のマスター蒸留所と
してコニャック造りに関係している。
ブイ一フー・ド・クリュのこだわり
イザンバール家はブイラー・ド・クリュ
(自己所有のぶどう畑のぶどうのみを使
って蒸留を行う蒸留所)として、一貫
して蒸留とブレンドを追求してきた。
歴史と共に培われてきた経験と技術に
よって、柔らかく官能的なコニャック
「イザン.ハ-ル」が生まれた。ボンヌ・
ショーフ(第二段階の蒸留)におけるタ
イミングやブジナージュ(樽を少し焦
がし、内皮の細胞を破裂させる事。こ
れにより、熟成の際に、オークの香り
が特にゆっくりとオー・ド・ヴィに染
み込む)をはじめ、ここでのひとつひ
とつの工程で発揮される技とコニャッ
ク造りへの熱い想いの結晶が「イザン
バール」である。

センシュアル(官能的)
長い間オーク材の樽で熟成された「イザンバール」
のコニヤックは、秋の森を思わせる複雑なニュアン
スを含みつつ爽やかな余韻が残る、柔らかく官能的
なコニャックである。「イザンバール」の背景には妥
協を知らない人々のたえまない努力がある。
ナイスティングノート
若々しさと森の香りが絶妙な調和を醸し出し、
夏の熟した果実と秋の森を想起させる複雑で微
妙な味。


「イザンバール」蒸留所のアランビック

「カン◆ロマン」蒸留所

類稀な個性の力強いコニャック

ローマ帝国ゆかりの地
フランス中央部、陶器の町リモージュとコニヤック
ヘの玄関ロアンクレームの間に広がるのどかな田園
風景。その中を走る道路は、ローマ皇帝アグリッパ
(紅一九前63-12)によって築かれたもので、今も人々
の大切な交通手段として活用されている。1903
年この道路沿いに蒸留所が建てられ、「カン・ロマン」
(ローマの、駐留地)と命名された。
父から娘へ
ローマ帝国ゆかりの地で蒸留されたコニヤックは、
その精神が乗り移ったかのような、力強い、男性的
なものとなった。そして、今、その製造はベティ・
ルジュールという、蒸留所の中では珍しい女性経営
者によって、さらに個性的な「カン・ロマン」とな
った。ベティは幼い頃から父親の後についてぶどう
栽培農家を回り、職人の作業風景を食い入るように
見つめ、蒸留技術者の話にじっと耳を傾けていたと
いわれる。父の意志を受け継ぎ、彼女の強い情熱が
コニヤックに注ぎ込まれた 。

蒸留所の女将軍
「カン・ロマン」の男性的な力強さは娘に受け継がれ、
歴史上の人物にたとえるならジャンヌ・ダルクのよ
うな戦う女性の姿を感じさせる、類稀な個性となっ
た。背の低いどっしりとしたボトル構えには皇帝の
趣がうかがえ、香しい琥珀色の液体には生き生きと
した力がみなぎっている。
ナイスティングノート
オーク材のフレー、バーが土地の風味と混ざり、焼き立
てのパンのような香ばしい味。後味はすっきりとし、
深い 。

「各蒸留所のテロワールとアランビックの違い」
 
ル・プー
イザンバール
カン・ロマン
テロワール
・グランドシャンパーニュ

・ファンボア
・特にマタの丘にぶどう畑を所有

・ファンボア
・一部ボンボアのぶどうも使用

アランビック
(蒸留釜)

・やや小型のオニオン型
・特徴のある曲げの強い蒸留管(スワンネック)が原酒のフルーティーさを際立てる

・頭部のやや膨らんだオニオン型
・冷却コイル部分は極細タイプ

・オニオン型
・独自の冷却方法が、原酒の香りを特徴あるものにする

 


カン・ロマン蒸留所のアランビック

ヘネシーの役

今回紹介した3つのシングル・ディスティラリー'コニャッ
クはいずれもヘネシー社の契約蒸留所のもの。いずれの蒸留所
もヘネシーコニャックのまろやかで洗練された味わいをつくっ
てきた立役者たちである。各シングル・ディスティラリー・コ
ニャックに貼られるラベルは、ヘネシーのスタイルと水準に合
致したことを意味する。これらのコニャックはヘネシー社がそ
の個性を紹介すべく発表した


シングル・ディスティラリー・コニャッ

ル・プー
★ジャーディンW&S
ル・プーは約50年前グランドシャンパーニュ地区で
設立された蒸留所。蒸留所名の「ル・プー」とはラテ
ン語の「頂点」を意味する。ル・プーのコニャックは
小型のオニオン型のアランビック(蒸留釜)で蒸留さ
れる。ル.プーのコニャックは花と木の実を思わせ
る香りのデリケートでエレガントで調和のとれた味
わい

ル・プー40度700N\8 400


イザンバール
★ジャーディンW&S
イザンバール家は、約200年前からシャラント地
方で、ワイン蒸留で名を成してきた名門蒸留所。イ
ザンバールはヲイラー・ド・クリュ」(自己所有のぶ
どう畑からできたワインだけで蒸留を行う蒸留所)と
して、蒸留の技術を磨いてきた。蒸留には頭部のや
や膨らんだオニオン型のアランビック(蒸留釜)を使
用。イザンバールのコニャックはフユ・ルーと呼ば
れる、比較的新しい古樽でゆっくり熟成される。イ
ザンバールは、センシュアルなニュアンスが漂う複
雑で微妙な味わいのコニャッ 。

イザンバール40度700N\8 000


カン・ロマン
★ジャーディンW&S
約100年の歴史を持っているカン・ロマンは、リ
モージュとアングレームのほぼ中間にある、ローマ
皇帝アグリッパがつくった道路沿いに位置する。カ
ン.ロマンとは、「ローマの、駐留地」という意味。カ
ン.ロマンは独自の蒸気冷却方法を取り入れたオニ
オン型のアランビック(蒸留釜)を使用する。
カン.ロマンは、オーク材のフレーバーが土地の風
味と混ざり、焼き立てのパンのように香ばしい。類
稀な個性の、力強い味わいのコニャッ 。

カン・ロマン40度700N\7,800


    

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